5月6日 まさかの三峡上り 5月6日 まさかの三峡上り

行った都市:宜昌、野三関、巴東、奉節
行った聖地:なし


今日は5時半に起床。
昨日寝たのは23時過ぎだったから、6時間ほどしか寝ていないことになる。
これだけ少ないのは、初日以来ではなかろうか。

今日もよく晴れている。
おかげで、よく曇っている。
意味が分からないが、実際、そうなのだ。
上空は、明らかに快晴なのに、地平線付近は、常にもやがかかっているような感じ。
何でだろうねえ。


7時のバスに乗りたいので、いそいそと支度をし、6時30分頃出発。
バスターミナルの手前で、朝食用に饅頭を買う。

バスターミナルに到着して、奉節までのチケットを購入。
そしたら、係の人が何か言っている。
「分からないから書いて」って言うと、明らかに嫌そうな態度。

やる気のない中国人は、本当に嫌になる。
日本だと、クビになってもおかしくない態度なのだけど、
中国では、こんなのは珍しくない。
一方で、たまに、すごく親切丁寧な対応をしてくれる人もいる。


で、書いてもらったのを読むと、奉節行きは、午後3時だって。
なんと!
早起きした意味ないじゃん。
昨日、がんばってたくさん回った意味ないじゃん。
だいたい、午後3時に出たら、到着するのって夜中だろ。

奉節は、それなりに大きい町だから、
バスの本数もそれなりに出ているだろうと甘く見ていたのが、間違いだったか。

仕方がないので、方針変更。
とりあえず、近くの町まで行って、そこから乗り継ぐことにした。

しかし、地名だけを見ても、どこにある町なのか、さっぱり見当がつかない。
地図と見比べつつ、ようやく方針決定。
まずは、宜昌から西に120キロほどのところにある”野三関”というところを目指す。
奉節までのちょうど中間当たりだ。

すばやく切符を購入し、7時発のバスに何とか間に合う。
バスに乗ったあと、まずは朝食。
さっき買った饅頭だ。

なんか、中が赤いよ。
ちゃんと、火が通ってない・・・。
食べちゃったけどさ・・・。
何事もないことを祈る。


今日の運転手も運転が荒い。
考えてみれば、中国に来てから荒くない運転をしていた人がいたであろうか。
いや、いない。
中国人=運転は荒いと考えた方が良さそうだ。

運転手の野郎、急にバスを止めて何するかと思ったら、
民家の庭先にあるレンガを盗んで、バスに運び込んでやがる。
何考えてんだ。
おかしいよ、おかしいですよ、運転手さん。


ひどい山道。
道は舗装してなかったり、舗装してあっても穴だらけだったり。
そんな道が延々と続くこと、4時間半。
ようやく、野三関に到着。

時間かかったわ。
地図だと、120キロ程度だったから、もっと早く着くと思ったのだけど、
見込みが甘すぎた。

バスターミナルの表示によれば、実際の距離は200キロほどらしい。
山道を蛇行しながらだもんね。
無理ないか。


野三関のバスターミナルで、奉節行きに乗り換え。
ターミナルの人に奉節に行きたいと伝えると、
「この人に付いて行け」と言われたのだけど、
トイレに行っている間に、その人はどこかへ行ってしまった。

もう一回ターミナルの人のところに行くと、
今度は別の人を紹介してくれて、
その人の車で奉節行きのバスまで連れて行ってくれるというので、
おとなしく付いて行った。

ごたごたしたけど、何とか奉節行きのバスに乗れた。
って、今度のは普通の車だよ。
バスって呼んでいいのか?
乗り合いタクシーというのか?

でもって、車の中が臭いと思ったら、どうやら、ぶたくんが同乗しているらしい。
姿は見えないけど、鳴き声がする。


道は、相変わらずひどい。
助手席のおばちゃんは、げえげえやっていた。
無理もない。

乗車後、3時間半ほど揺られて、自分が巴東という所にいると気づく。
ここって、地図で見ると、奉節には行けそうにないんだけど、大丈夫なのかなあ、
と激しく心配になったものの、
運転手には目的地を伝えてあるし、大丈夫だろうと思い直す。

それより、今日中に着けるのか心配。
野三関から奉節までの、まだ中間地点くらいだよ。
あわよくば、今日中に白帝城を回ってしまおうと思っていた自分の甘さを改めて痛感。


その後、乗客が次々に降りて、運転手と二人きりになってしまった。
これじゃ、タクシー状態じゃん。
降りるときに、高額請求されたらどうしようとか妄想していると、
運転手が、「どこまでいくんだ?」と。

はひ?
知らずに走ってたんですか?
目的地は、最初に伝えておいたじゃん。

奉節に行きたい旨を告げると、近くのバスターミナルまで連れて行かれた。
やっぱり、そうきたか。
タクシー状態で奉節まで行ってくれるとは思ってなかったよ。
まあ、奉節まで連れて行かれて、高額請求されるよりはましだろう。


バスターミナルでのチケット購入の際、寝台にするかどうか訊かれた。
夜戦をするつもりはなかったので、寝台はやめておいた。

バスターミナルのバスの発着所と思われる方向には長江があった。
なるほど、長江をフェリーで渡るんだね。

って、ちょっと待て。
ここ、バスターミナルじゃない?
もしかして、船で奉節まで行くの?

はい、その通り。
このときになって、ここがバスターミナルではなくて、
船着場だということにようやく気づきました。


しかし、この時点で、16時過ぎ。
船の速度だと、今日中に着くのは無理だぞ。
だから、寝台を勧められたのか。

奉節到着は、いったいいつだろう。
船の中でどうやって寝ようか。
という心配をしつつ、やってきた船に乗る。

どうやら、自由席っぽいので、座席はいち早く確保した。
それにしても、中国人と一夜を共にせねばならないというのは、不安だわ。
ところ構わずたばこを吸うし、痰を吐くし、席を外そうものなら荷物を取られそうだし、
無事に明日の朝を迎えられるのかしら。


以前の日記で、黄河に比べて、長江はきれいだと書いたけど、しっかり訂正しておく。
長江も、ものすごく汚いです。

水が緑です。
嫌な感じの緑。
そして、大量のゴミが間断なく流れてます。

これら大量のゴミは、長江の下流まで流れていき、やがて太平洋に出て、
対馬海流に運ばれて、日本海沿岸に流れ着くんだろうねえ。
ああ、嫌だ嫌だ。


ゴミ箱横のベンチ4つを占拠して、バックパックを枕にして横になる。
仰向け以外の体勢は取れないけど、割りと快適。
ハエがうっとおしかったけど、日暮れとともにいなくなった。
ハエは日中しか活動しないんだね。
こんなこと、中国に来なかったら、気づかなかったよ。

長江沿いに、諸葛亮が落書きしたという岩壁があるらしいのだけど、それは見つけられなかった。
情報不足で、どこにあるのか正確な位置が分からなかったのと、
しばしば眠ってしまっていたから。


出発から3時間ほど経過して、19時20分頃に巫山に到着。
巴東から奉節までの中間をやや過ぎた辺りなので、
この分だと、奉節到着は22時頃になりそうだ。

翌朝にならなくてほっとする一方、
着いてから、宿探しをしないといけないのかと思うと、うんざりする。

あと、油断していたら、ベンチは取られてしまった。
4つも占拠していた私の方が悪いのだが。


寝るのにも飽きたので、動画を見ることにした。
どうせ、宿に行ってからじゃあ、時間がなくて見られないだろうからね。

そしたら、中国人、声がでかいから、動画の音が聞き取りづらい。
うるさいっちゅうねん。
普通に話しているのに、騒音だよ。
動画の音声は、イヤホンを耳に押しつけて、ようやく聞き取れる程度だ。


その後、暇つぶしも兼ねて日記書き。
隣の中国人が興味深そうにのぞき込んできたので、見せてあげた。

どうせ、日本語は読めまいと思って、上の悪口は、その人が見ている前で書いた。
ちなみに、うるさかった人も、その人。


予想通り、22時頃に奉節到着。
うっとおしい客引きを振りきって、船着き場のすぐ横のホテルに行く。

従業員は、感じがいい。
一ヶ月前にも日本人が来たと教えてくれた。
今回は、60元。
安かったので、それでOKした。

今日は移動ばかりで、そんなに汗もかいてないから、
お風呂はなしでもいいかなと思ったけど、
お風呂付きの部屋だったので、せっかくなので入ることにした。

が、せっかく入る気持ちになったのに、お湯が出ない。
従業員の人は、「出しっぱなしにしておけば、そのうち出る」って言ってたけど、
いつまで経っても出ない。
従業員呼びに行くのも面倒だし、諦めた。

足と顔だけ洗って、よしとした。
せっかく入る気になっていたのになあ。


もう、23時も過ぎているし、さっさと寝よう。

それにしても、中国のホテルは、
暗いところが多いなあ。
わざわざ、明かりの代わりに、テレビをつける場合があるんだ。

あと、客引きは、うっとおしい。
何言っているか分からないけど、しつこく寄ってくる。
生活がかかっているから必死なのかもしれないけど、
あなた方の信用度は大変低いので、無視する以外の選択肢はございません。