5月12日 野宿の恐怖 5月12日 野宿の恐怖

行った都市:綿陽、剣閣、広元
行った聖地:なし


5時30分に起床。
携帯電話が見つかる夢と見つからない夢と、両方見たよ。

昨日は、シャワーを浴びていないので、足と顔を洗う。
昨日の朝買った油条が、まだ余っていたので、無理矢理詰め込む。


そして、6時30分頃、バスターミナルに向かって出発。
「たぶん、見つからないだろうな」という思いが大半。

そもそも、バスの中に忘れたという確証はない。
最後に触ったのがバスの中であり、その後落としたかもしれないし、
誰かに盗られたかもしれないのだ。

ホテルの前のバス停でバスを待つ。
30分以上待ったよ。
他のバスはバンバン来るのに、目的の路線だけぜんぜん来なかった。
7時過ぎにやっと目的のバスが来た。

30分ほどでバスターミナルに到着。
さっそく、聞いてみる。
しかし、素っ気ない対応。相手にしてくれない。

仕方なく、別の人に訊いてみる。
今度の人は、まともに相手をしてくれ、
いろんな人に携帯電話(W-ZERO3)のことを訊いて回ってくれる。

この辺、一人一人に訊いているところを見ると、
システム的に忘れ物対応はしていないということか。
そもそも、中国では忘れ物は見つからないと考えるのが当然か?

周りの人は、誰も知らないらしい。
8時30分頃、昨日綿竹から綿陽に来たときに乗ったバスがやってくるから、
それまで待機せよと言われたので、忘れ物表を書いて、バスターミナルで待機する。


8時30分頃、バス到着。
なんと、あったって!
まじで!?

中国でなくしものをしたら、もう戻らないと思っていたよ。
ちゃんと保管してくれた人に感謝。
中国を、ばかにしてすみませんでした。

綿竹にあるらしく、9時10分発のバスで届けてくれるとのこと。
綿陽到着は、10時30分頃と言うことなので、
それまで暇つぶしに付近を散歩することにした。

散歩しながら、うれしさのあまり思わず歌ってしまう。
しかし、喜ばせておいて、実は別のものでしたというオチに備え、
喜ぶのは、たいがいにしておいた。

こんなにのんびりしたのは、中国に来てから初めてだなと思いながら、
特に目的もない散歩は終了。
10時20分頃、バスターミナルに戻る。


そしたら、バスが遅れているから、到着は11時10分頃になるそうだ。
じらすね。
それまで、新聞読んだり、ぼけっとしたり、中国人と筆談したりしていた。

で、だいぶ遅れた11時30分、ようやく携帯電話到着。
オチはない。
紛れもなく、我が愛しのW-ZERO3だ。
このときのうれしさと言ったら、文字で表現できようはずもない。

そして、ここまで手を尽くしてくれた中国人に感謝。
バカにするようなことを書いてすみません。
これからも書きます。
でも、本当に心から感謝しています。


11時30分。
まだ、ホテルのチェックアウトをしていない。
12時までにチェックアウトしなければならない。
12時過ぎたら、追加料金取られてしまう。ぼったくられるかもしれない。
急げ!

というわけで、帰りは珍しくタクシー。
ここのタクシーはメーターが付いていたので安心。
田舎だと、付いてないんだよね。
運転手との交渉次第となる。

料金は10倍かかったものの、時間は3分の1ですんだ。
10元くらいで、15分弱。


ホテルに戻ると、すでに部屋が掃除されていた。
そういうことは、チェックアウトが済んでからにしろよ。
人の荷物を勝手に触ったということだよな。
非常に不愉快だ。
だから、中国人はダメなんだ。
貴重品、置いて行かなくてよかったわ。

チェックアウトしてから、剣閣行きのバスターミナルへ行き、
剣閣行きのチケットを買って、バスに乗り込む。
なかなか発車せず、1時間以上待った13時30分頃、ようやく発車した。

早く行きたいから高速バスにしたんだけど、これだけ待たされるなら、
先行した普通のバスの方が先に着いているんじゃないのか。

途中で高速道路を降りたのだけど、降りてからの道は落石だらけ。
これだけ落石があるってことは、走っているときに当たる可能性も高いよね。
おお、怖い。


2時間30分ほど経って、16時頃、剣閣到着。
時間的に考えて、本日中の剣門関突撃は無理そうだ。
巡回までは可能だけど、帰りのバスが心配だから。

仕方がないので、宿を探しに歩く。
それにしても、今日は人が多い。
なんだろうねえ。

宿を探している途中でバスターミナル発見。
どうやら、さっき降ろされたところは、バスターミナルではなかったようだ。

バスターミナルにあった地図で、現在位置と目的地を確認すると、
自分で思っていた場所とは、ぜんぜん違った。
自分では、目的地の北側に来ているつもりだったのだけど、実際は南側だった。
これなら、広元まで行ってから南下した方がよかったな。

あと、ここに来る途中でケ艾のお墓の横を通っていたんだね。
知っていたら、寄っていたのに。


勘違いが分かったので、ここで方針変更。
これから剣門関に突撃して、そのまま北に抜けて、広元まで行くことにした。

剣門関行きのバスは、すぐ見つかった。
それに乗せてもらって、すぐに出発した。

剣門関へ行く途中も、相変わらず人が多かった。
もしかしたら、今日は祝日で何かのイベントでもあるのかもしれない。

しばらく走っていると、途中で停まってしまった。
すごい渋滞になっている。
道が通行止めになっているらしい。
そして、バスを降ろされたしまった。
運転手曰く、「他の乗客に付いて行け」と。

仕方がないので、他の乗客たちが向かった方向へ歩いていく。
しばらく行くと、通行止め現場付近に到着。
ちょうど、動き始めるところらしい。
運がいいな。

ちなみに、この現場、聖地の一つ”翠雲廊”のすぐ近くだったので、
ついでに寄ってやろうかとも考えたのだけど、
さすがにその後の移動手段と宿探しが心配だったので、それはやめておいた。

しかし、この後、どうしたものか。
歩いて剣門関に行くには遠すぎるし、今から剣門関に突撃すると、
帰りのバスと宿が心配だし。


仕方がないので、またしても作戦変更。
近くに停まっていた広元行きのバスに乗せてもらって剣門関はスルーして、
一気に広元まで行くことにした。
少し離れているけど、広元なら大きいし、宿の心配はないだろうとの判断からだ。

バスに乗って、通行止め現場を通過。
木が倒れたのだろうか、道路脇の家が豪快に壊れていた。
あと、道の一部は崖の下に落ちていた。
何があったのだろうか。


それにしても愚かなのは、中国人である。
道が詰まっているところに、我先にと殺到する。
そのせいで、反対からの車が通れない。
おそらく、反対側でも同じようなことが起こっているのであろう。
余計に遅くなるっていうの。それくらい、分かれよ。
警察が交通整理をして、何とか開通していた。

本来の目的地である剣門関は横を素通りした。
予想に反して、意外と発展していた。
泊まる場所はないと予想していたのだが、それも問題なさそうだった。
失敗したな。


バスは高速道路に乗って、広元に向かう。
すると、またしても通行止め。
なんなんだよう。

よく分からないけど、運転手に「バスを移れ」と言われて、
同じく通行止めにあっている他のバスに、乗客みんなが分散して乗り移る。

通行止めが、ようやく解除されて、バスは広元へ向かう。
高速道路を降りると、ここでも剣閣と同じように、やたらとたくさん人がいた。
やはり、何かのイベントがあるのかな?
それにしても、こんな広範囲で行われるイベントってなんだろう。
中国人の考えることだから、よく分からんな。


18時30分くらいに、広元のバスターミナルに到着。
まずは、例によって宿探し。
広元は大きいところだと思ったのに、意外と宿が少ない。
失敗したか。

1件目、やってない。
2件目、やってない。
何?
なんで?
3件目も、やってない。

町中、ガラスが飛び散ったりしてますけど、もしかして暴動でもありました?
チベットがわりと近いから、それも考えられる。

それとも、お祭り?
中国人なら、お祭りで暴動並みのことは十分やりそうだ。

宿が見つからないので、この際、剣門関まで戻ろうかと思い、
バスターミナルへ戻ることにする。


戻る途中、宿を見つけたので立ち寄る。
4件目、やってない。
もう、ダメだ。

さらに戻る途中、ちょっと離れたところに三ツ星ホテルを発見。
人もいるし、さすがにやってるだろ。
高いだろうけど、この際、やむをえない。
300元までなら出そうと覚悟を決めて、行ってみる。

しかし、やってない。
で、ホテルの人が教えてくれた。
「地震があったから、みんな外に出ているんだ」と。
だから、今日は、みんな外で寝るらしい。

ああ、なるほど、これですべて納得できた。
落石が多かったのも、
交通規制だらけだったのも、
やたらと路上で人を見かけたのも、
そういうことだったのね。

地震だと言われてから気づいたのだけど、周りの家、そこら中で壊れているわ。
壁がはがれたり、ものが飛び散ったり、ガラス割れたり。
いやあ、中国っていつもそこら中に瓦礫が積んであるから、
言われるまで気づかなかったよ。

(ちなみに、このときの地震が四川大震災。
どうやら、綿陽から剣門閣へ向かう途中のバスの中にいるときに地震が起きたようなのだけど、
寝ていたのか、まったく気づいてなかったのだよね。
わりと震源地に近かったというのに、なんと暢気なことか。)


しかし、宿がないのには困ったな。
とりあえず、バスターミナルに戻って、
バスがあったら、他の町に移動しようと思いバスターミナルまで移動した。

しかし、遅いので、すでにバスはなかった。
仕方がないので、野宿を覚悟する。
まあ、みんな一緒に野宿だから、そんなに不安はない。

まずは、命の水を確保して、夕食用にカップラーメンを買う。
サービスでお湯を入れてくれた。
ありがたい。


夕食は、バスターミナルの真ん中で食べる。
今日は、ここで夜明かしさ。
普通、野宿っていうと、建物の軒先がいいのだろうけど、地震だから、そうはいかない。
バスターミナルの真ん中だよ。
雨降ってなくて、よかったよ。

それにしても、中国の建物はもろい。
冗談半分に、地震があったら全壊だと話したことがあったけど、
本当に、あちらこちら、ぼろぼろだ。

いったい、どれくらいの震度があったかは存じませぬが、
震度5もあれば、だいぶ破壊できそう。
ちなみに、私はいつ地震があったか知らない。
綿陽にいたときなのか、バスに乗っているときなのか。


バスターミナルの職員、自分たちだけバスの中に入って、うらやましいぜ。
外に人があふれているんだから、その人たちもバスの中に入れてくれればいいのに。


20時30分回ったところ、
回りは、ほぼ真っ暗。

密かに、バスの中に入れてくれることを期待していたのだけど、
そういう気はなさそうだ。
もういいや、あきらめた。
新聞ひいて、バックパックを枕にして、その場で寝ることにした。
もう21時だし。


・・・中国人、うるさすぎ。
寝られないっての。

あと、余震がちょくちょくあるのだけど、中国人の地震に対する反応が大きすぎ。
せいぜい震度2だぞ。
こっちは、寝たままだ。


今、23時。
寒くなってきた。